日本酸化チタン工業会 会長
大久保 浩
会長あいさつ
色のない世界を想像してみてください。月面のように荒涼とした世界で、寂しさを感じますね。
酸化チタンは、白色顔料です。白は色の基本で、絵具セットの白チューブが大きいように、様々な色のベースとなります。塗料はもちろん、インキ・樹脂製品、化学繊維の着色などに使用されており、私たちの身近にある全てに使われているといっても過言ではありません。
又、酸化チタンには、紫外線吸収や光触媒性能、誘電体としての性能があります。それらユニークな性能を活用して、化粧品や触媒、ITの発展を支える積層セラミックコンデンサーの原料としても重要視されております。
18世紀に元素として発見され、20世紀初頭より工業化された酸化チタンですが、工業化より100年が経過し、地球環境や社会ニーズも変化してきました。酸化チタンの製造には、非常に多くのエネルギーを必要とし、多くの廃棄物も発生します。従って、CO2排出削減を含め地球環境に配慮した製法への転換に取り組むとともに、新たな機能で社会・環境に貢献するサステナブルな事業にしていくことが我々の使命です。
地球から元素の恵みを受け、それを加工し暖かみのある人類の生活を創造する。日本酸化チタン工業会は、心豊かな生活に役立つ持続可能なものづくりの在り方を追求し努力を続けてまいります。